犬が下痢になる原因

犬の下痢の原因はさまざまで、危険度も異なります。特に緊急性が高いものは、異物の誤飲、人間用の薬の誤服、中毒性のある食べ物の摂取、腫瘍、重度の膵炎や胃腸炎、子犬の感染症などです。

特に注意が必要な原因には、雑草の拾い食いや食物アレルギー、慢性腸炎、細菌やウイルス、寄生虫の感染などがあります。

食事が原因での下痢

フードの変更や食べ過ぎ、無分別な食事が下痢を引き起こすことがあります。食事内容を見直し、1～2日内に改善が見られない場合や嘔吐がある場合は、動物病院を受診することをおすすめします。また、特定の食事や食材で下痢が繰り返す場合は、食物不耐性や食物アレルギーの可能性があるため、早めに動物病院を訪れましょう。

ストレスによる下痢

長時間のお留守番や慣れない来客、近隣での工事、ペットホテルでの滞在後に下痢が見られる場合、ストレスが原因の可能性があります。思い当たることがある場合は、その要因をできるだけ取り除いてあげましょう。多くの場合、1～2日で改善しますが、続く場合や嘔吐を伴う場合には動物病院を受診してください。

異物の誤飲や誤食

食べ物以外のものを誤って食べた場合や、人用の薬・サプリメントを誤食したり、ゴミ箱の傷んだ食べ物を盗んだりすることで下痢が生じることがあります。嘔吐を伴うことが多く、誤食した内容によっては緊急の対応が必要な場合もあるため、可能な限り早くに動物病院にてご連絡ください。

ウイルスによる下痢

パルボウイルスやコロナウイルス、犬ジステンパーウイルスなどのウイルス感染が原因で下痢が発生することがあります。特に免疫力の弱い子犬や高齢犬では重症化しやすいため注意が必要です。これらのウイルスはワクチンで予防できるため、適切な時期にワクチン接種を行うことが重要です。

寄生虫による下痢

母犬から子犬へ胎盤や乳を介して感染する「回虫」や、土壌から感染する「鞭虫」や「鉤虫」、カエルやヘビの捕食によって感染する「マンソン裂頭条虫」、ブリーディング施設やペットショップで感染することが多い「ジアルジア」「コクシジウム」「トリコモナス」などの寄生虫が原因で下痢を起こすことがあります。便に虫が検出されることもあるため、病院を受診する際には便を持参すると診断の手助けになります。

細菌による下痢

クロストリジウムやカンピロバクター、サルモネラ、大腸菌などの細菌感染も下痢の原因となります。これらの細菌は健康な犬の便にも存在しますが、腸内で毒素を産生したり腸内細菌のバランスが崩れたりすることで過剰に増殖し、下痢を引き起こすことがあります。血便を伴うことが多く、重度の場合は発熱や脱水を引き起こす可能性があるため、早めに動物病院を受診してください。

その他の原因

膵炎や膵外分泌不全、肝臓や胆嚢、腎臓病、副腎皮質機能低下症、腫瘍、子宮蓄膿症などのさまざまな病気に関連して下痢が起こることがあります。下痢・血便が見られたり、体調や食欲に異常がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。